訪問者から見れば魅力的な町家も、「暗い」、「寒い」、「現代生活にマッチしない」ということで、そこに住む若い世代には否定されてきました。そのため、奈良町の中で伝統的な町家が残っているのは、皮肉にも、稼業を継ぐ若い世代がいない家が目立ちます。若い世代と同居する時、洋風の建物に建てかえる場合が多いからです。若い世代がこの町に住み続け、子供を育て、次世代に引き継いでいってこそ町も生き続けることができるのです。そのためには古い町家をそのまま保存するのではなく、町家の良い点や近隣との豊かな人間関係を保ちながら、21世紀に通用する「新町家」を創造してゆかねばなりません。さもなくば、奈良町も早晩、生活実態のない単なる近世のテーマパークとなってしまうでしょう。

そこで、さんが俥座は、後継ぎがいなかったり、経済的な理由で補修や改築が困難な町家を安易にマンションや駐車場にするのではなく、新しい用途を創造して、町家が持つ魅力を十分に生かした保存を提案しています。
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